民間ローンに短ブラ連動型が登場してきたと述べましたlU以前の民間ローンは〝長期プライムレート(長プラ一〟に連動していたのですが、金融緩和の一環で大蔵省が短プラ連動型のローンを認めたことから、都市銀行を皮切りにいっきょに大勢は短プラ連動型に切り替わりました。
長プラとは、長期信用銀行などが企業に融資するときの最優遇貸出し金利のこと。
「リッキー」とか「リッチョー」などの名称で知られている利付き金融債の利率を基準にして変動することになっています。
以前はこの利率が住宅ローンのベースでした。
しかし、都市銀行や地方銀行の融資財源は短期資金が主なので、長プラに連動させるのは鍛行にとってリスクが小さくありませんでした。
一方の短プラは、同じく銀行が企業に貸し出すときの優遇貸出し金利ですが、銀行が資金の調達コストを勘案して決めるものなので、銀行にとって安全です。
そういうわけで解禁と同時にほとんどの銀行がこの方式を採用するようになったのです。
り替わると同時に民間ローンの金利がガクンと下がりました。
〝年利2%台〟が現在の水準です。
これは93年末の長プラ連動時代に瞬間風速的に記録した3・8%という史上黄低金利を大きく下回る低水準で、短プラに切り替わったからこそ実現した水準と言えるでしょう。
いま住宅金融公庫の基準金利(最も低い金利)も2%台になりました。
これも史上まれに見る低金利には違いありませんが、しかし、金利体系に〝住宅の賃基準〟が導入されたため、全部が全部この基準金利を利用するわけにはいかなくなりました。
ひところ、民間ローンとの格差を縮めるために、貸出し金利のベースになっている財政投融資金利を割ってまで引き下げたという経緯もありましたが、そんな変則技はいつまでも続けられません。
景気に持ち直し傾向が見えはじめれば公庫の金利が引き上げられる可能性が強く、ローンの官民の格差はさらに拡大しそうです。
というわけで、いまローンを組もうとする人にとって、公的融資がいいか民間融資がいいかの判断は微妙です。
ずっと先のことはさておいて、「とにかく、ここ数年は返済負担を極力抑えたい」という人にとっては、公的融資よりも民間ローンを優先したほうが返済額を少なくすることができるからです。
そこで問題は、公的融資が財形融資を除いて〝固定金利〟であるのに対し、民間ローンは〝変動金利〟であるという点をどう考えるがです。
繰り返しになりますが、固定金利は借入時点の利率が完済までそのまま維持されるのに対して、変動金利は金利の変化に伴って半年に一度金利が見直されます。
したがって、先行き金利が上昇して返済額が増加するかも知れないという不安定な側面があるわけです。
ただ、頻繁に返済額が変わっては毎月返済に支障をきたすことにもなるため、いったん決まった返済額は五年間は変えないことになっています。
その間に動いた金利の部分については、返済額の元金分と利息分の割合を調整して返済額が変わらないようにします。
とはいえ途中で金利が上昇すれば、返済額に占める金利分が増えて元金が少ししか減らなくなるわけですから、五年後の返済額の見直しで返済額が増えてしまうということがあり得ます。
また、その時点で金利が高ければ、その金利が適用されるために返済額が増えるということもあります。
借り手にとってここが変動金利の最大のネックです。
変動金利が今後どのように動いていくかは予測することができません。
が、現在のような低金利は、そんなに頻繁にはやってこないということは十分に推察できます。
したがって、長期的に見て返済額を抑えようとするなら〝固定金利〟を選択し、当面の返済額を抑えようとするなら″変動金利〟を選択するのが原則になるでしょう。
さて、こうした変動型ローンの弱点を補ったかに見える新タイプの民間ローンが続々登場しています。
次ページに、新タイプローンの代表的なパターンを二つ示してみました。
これらはすべて基本は変動型なのですが、「途中で固定型も選択できる」というところに特徴があります。
固定型か変動型のいずれかを選択しなおすことができ、さらに一定期間を経た後に再びどちらかを選択し直すことができるというもの。
つまり、一定期間が経過したらどちらが有利かを判断して、自由に乗換えができるというものです。
ことができるのはAパターンと同じですが、その後、変動刑土を選んだ場合は最後まで変動型しか選べないというもの。
つまりいったん変動型を選んだら固定型には戻れないというタイプです。
このどちらがいいかは即断できませんが、自由度が高いという意味ではAパターンに軍配が上がるでしょう。
ただ、見直し時点で固定型を選択するのが正しいかどうかは何とも言えません。
固定型は金利が変わらない代わりに、仮に金利が下がっても一定期間はそのまま固定型を続けなければならないからです。
その点、変動金利を選択したときは金利が下降すればそれに追随して適用金利が下がり、表面の返済額は変わらなくても内側で元金がたくさん減っていくことになります。
選択見直しの段階で先行きを見通す力が必要なわけで、的確に選択できればトク、読み違えればソンという岐路に立たされることになりますから、これまで以上に経済動向に注意を払う必要があり、金利のヨミにみがきをかけなければならないわけです。
しかし、いずれにしても、民間ローンは各金融機関が創意工夫を重ねながら続々と新しいタイプのローンを登場させています。
乗換えのパターンもここに挙げたA、Bだけでなく、最初は変動型で出発するがいつでも固定型に乗り換えられるものとか、変動型ではあるものの二〇年間にわたって返済砧を固定するなどというのもあります。
さらに最近登場したものでは、変動型ローンに元金均等返済を採用することで元金の返済を速め、金利分は半年ごとにボーナス一括払いにするというユニークなタイプもあります.。
これだと元金の減少が早いので残債に対する金利負担が減り、返済総額が少なくなるというメリットが生まれます。
銀行にとって企業の資金借入れが停滞しているため、回収が堅い住宅ローンは融資先としておいしく大きいパイ。
これからも新たな魅力をひっさげた有利なローン商品が登場してくる可能性が大ですから、なるべく多くの銀行を訪れてこまめな情報収集に努めることがローン作戦に成功する秘訣です。
どんな貯蓄が有利か?といったことは他の図書にまかせて、いまマンションが欲しい人のための、資金づくりの奥の手を伝授しましょう。
普通、マンションを買うには分譲価格の10%ないし20%の頭金がなければなりません。
公的融資を使って買おうとすれば公庫以外は必ず20%以上の自己資金が必要です。
「自己資金が10%未満」ということになると、特別な提携ローンを利用せざるを得ませんが、これは金利が高いので不利です。
そこで奥の手その一は、値引きを自己資金分として契約してもらう方法り.これなら高い金利のローン利用が避けられます。
たとえば、自己資金が100万円しかない人が、3500万円のマンションを買おうとして250万円の値引きに成功したとします。
このとき、売買価格はあくまで3500万円にしてもらい、自己資金を350万円とするわけです。
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